薬剤師の難易度は?合格率・勉強時間・受験資格まとめ

薬剤師の難易度と合格率を、試験の実施形態や必要な学習時間とあわせて整理しました。受験を検討している段階で、まず全体像を把握するための記事です。

薬剤師の基本データ

資格の種類 国家
難易度
合格率 68〜72%
標準学習時間 約3,000時間
学習期間の目安 6年(大学)
試験の実施 年1回
受験資格 薬学部6年の卒業
独学 不可(講座・養成課程が必要)
通信講座 なし

難易度をどう見るか

薬剤師はに位置づけられます。

合格率は68〜72%です。ただし合格率だけで難易度を判断するのは危険で、受験者層の性質を合わせて見る必要があります。受験資格に実務経験が課される試験は、そもそも受験者が絞り込まれているため合格率が高く出やすく、逆に誰でも受験できる試験は記念受験が混ざるぶん合格率が低く出ます。

大学6年が前提。業務独占で求人が安定している。

必要な学習時間

一般的な目安は約3,000時間です。1日2時間なら約50ヶ月、1日3時間でも約34ヶ月かかります。仕事と両立するなら年単位の計画が現実的です。

学習期間の目安は6年(大学)とされています。試験は年1回実施のため、逆算して学習開始時期を決めることになります。

受験資格

薬剤師の受験には薬学部6年の卒業が必要です。ここを満たしていないと、学習を進めても受験そのものができません。まず要件の充足状況を確認してください。

同じ分野の資格と比べると

医療・福祉分野の37資格を学習時間で並べると、薬剤師は37番目に位置します。もっとも軽いのは同行援護従業者養成研修(約20時間)、もっとも重いのは薬剤師(約3,000時間)です。同じ分野でもここまで幅があるため、まず自分が確保できる学習時間から逆算して候補を絞るのが現実的です。

受験のタイミング

薬剤師は年1回のみの実施です。ここで落とすと次は1年後になるため、受験年度を決めたら逆算した計画が必須になります。学習期間の目安が6年(大学)なので、試験日の6年(大学)前が学習開始のデッドラインです。

費用の考え方

薬剤師は独学で完結しないため、薬学部6年の卒業にかかる費用が総コストの中心になります。受験料よりも、この要件を満たすための費用と期間の見積もりを先に立ててください。

取得後の仕事

調剤・服薬指導・医薬品の管理。

あわせて検討されやすい資格

学習時間が近い診療放射線技師(約2,000時間)、臨床検査技師(約2,000時間)は、薬剤師と並行または連続して狙われることがあります。出題範囲に重なりがある場合、2つ目以降の学習効率が上がります。

学習時間から逆算した計画

薬剤師の標準的な学習時間は3,000時間です。週にどれだけ確保できるかで、必要な期間が変わります。

学習ペース 週あたり 必要な期間
平日1時間・休日3時間 11時間 約273週間(64か月)
平日2時間・休日5時間 20時間 約150週間(35か月)
1日3時間(毎日確保する) 21時間 約143週間(34か月)

一般的な学習期間は6年(大学)とされています。試験は年1回実施されるため、次の試験日から逆算して開始時期を決めてください。標準時間はあくまで目安で、前提知識があれば短く、まったくの初学者であれば長くかかります。

医療・福祉のなかでの位置づけ

医療・福祉に分類される37資格を学習時間の短い順に並べると、薬剤師は37番目です。

資格 学習時間 難易度 独学
同行援護従業者養成研修 20時間 難しい
福祉用具専門相談員 50時間 難しい
喀痰吸引等研修 50時間 難しい
調剤薬局事務 60時間 可能
歯科助手 60時間 可能
医療秘書技能検定 100時間 やや易 可能
介護職員初任者研修 130時間 難しい
医療事務 200時間 やや易 可能
医療情報技師 200時間 可能
介護福祉士 250時間 普通 可能
ケアマネジャー 300時間 やや難 可能
愛玩動物看護師 300時間 普通 難しい
登録販売者 400時間 普通 可能
精神保健福祉士 400時間 やや難 可能
介護福祉士実務者研修 450時間 難しい
社会福祉士 500時間 やや難 可能
保健師 600時間 難しい
診療情報管理士 600時間 難しい
助産師 700時間 難しい
歯科衛生士 900時間 普通 難しい
言語聴覚士 1,000時間 やや難 難しい
理学療法士 1,000時間 やや難 難しい
作業療法士 1,000時間 やや難 難しい
看護師 1,200時間 やや難 難しい
准看護師 1,500時間 難しい
救急救命士 1,500時間 難しい
視能訓練士 1,800時間 難しい
義肢装具士 1,800時間 難しい
はり師 1,800時間 難しい
きゅう師 1,800時間 難しい
あん摩マッサージ指圧師 1,800時間 難しい
歯科技工士 1,800時間 難しい
診療放射線技師 2,000時間 難しい
臨床検査技師 2,000時間 難しい
臨床工学技士 2,000時間 難しい
柔道整復師 2,000時間 難しい
薬剤師 3,000時間 難しい

同じ分野の資格は出題範囲が重なることがあります。近い資格を続けて受けると、学習の蓄積を活かせます。

学習時間が近い資格

薬剤師と同じくらいの学習時間で取得を目指せる資格です。分野をまたいで組み合わせると、応募できる求人の幅が広がります。

資格 分野 学習時間 難易度
税理士 会計 3,000時間 最難関
司法書士 法律・労務 3,000時間 最難関
弁理士 法律・労務 3,000時間 最難関
司法試験予備試験 法律・労務 3,000時間
司法試験 法律・労務 3,000時間

よくある誤解

「合格率が低い=自分には無理」ではない

薬剤師の合格率は68〜72%です。合格率は受験者層によって変わります。受験要件のない資格は記念受験も含まれるため数字が下がり、実務経験が要件になっている資格は受験者の質が揃うため数字が上がります。合格率だけで難易度は測れません。

「標準学習時間どおりにやれば受かる」ではない

薬剤師の標準は3,000時間とされていますが、これは平均的な前提知識を持つ人の目安です。関連する実務経験があれば短く、まったくの初学者であれば1.5倍前後を見ておくほうが現実的です。

「資格を取れば仕事が見つかる」とはかぎらない

資格は応募条件を満たすためのもので、採用の決め手になるとはかぎりません。求人票を先に見て、実際に求められている条件を確認してから学習を始めると、無駄がありません。

よくある質問

薬剤師の合格率はどのくらいですか?

68〜72%です。ただし受験資格の有無によって受験者層が変わるため、合格率の数字だけで難易度を比較することはできません。

薬剤師は独学でも合格できますか?

独学だけでは受験できません。薬学部6年の卒業が受験の前提になります。

薬剤師の試験はいつ実施されますか?

年1回です。機会が限られるため、受験年度を決めたうえで逆算した計画が必要です。

医療・福祉の関連資格

薬剤師について実際によく調べられていること

検索されている質問のうち、薬剤師に関係するものを6件取り上げて、このページのデータで答えます。

薬剤師は独学で合格できますか?

薬剤師は独学だけでは対策しにくい資格です。標準学習時間は約3,000時間、難易度は「鬼」に分類しています。合格率は68〜72%。

実技や実習、あるいは指定の講習が要件に含まれるため、独学だけで完結しません。対応する講座や養成課程を先に調べてください。

薬剤師は履歴書に書けますか?

書けます。薬剤師は国家の資格です。国家資格は評価の基準がはっきりしているため、資格欄に正式名称で記載してください。

書くときは取得年月と正式名称をそろえます。取得前の段階なら「薬剤師 年1回受験予定」と書く方法もあります。応募先の業務と関係が薄い資格を並べすぎると焦点がぼやけるため、関係するものから順に並べてください。

薬剤師の合格率が68〜72%なのはなぜですか?

薬剤師の難易度は「鬼」、合格率は68〜72%です。合格率が高い試験は、基準点に達した人が全員合格する絶対評価であることが多く、範囲どおりに学習すれば到達できる水準です。

大学6年が前提。業務独占で求人が安定している。なお合格率は年度ごとに上下します。1年分の数字ではなく、複数年の傾向で見てください。

医療・福祉の資格ではどれがいちばん難しいですか?

医療・福祉に分類している37資格を標準学習時間の順に並べると、いちばん軽いのが同行援護従業者養成研修(約20時間)、いちばん重いのが薬剤師(約3,000時間)です。

資格 学習時間 合格率 難易度
同行援護従業者養成研修 20時間 ほぼ全員
福祉用具専門相談員 50時間 ほぼ全員
喀痰吸引等研修 50時間 ほぼ全員
調剤薬局事務 60時間 80〜90%
歯科助手 60時間 80〜90%
医療秘書技能検定 100時間 2級50〜60% やや易
介護職員初任者研修 130時間 ほぼ全員
医療事務 200時間 50〜60% やや易
医療情報技師 200時間 30〜40%
介護福祉士 250時間 70〜80% 普通
ケアマネジャー 300時間 10〜20% やや難
愛玩動物看護師 300時間 80〜90% 普通
登録販売者 400時間 40〜50% 普通
精神保健福祉士 400時間 60〜70% やや難
介護福祉士実務者研修 450時間 ほぼ全員
社会福祉士 500時間 30〜45% やや難
保健師 600時間 95%前後
診療情報管理士 600時間 50〜60%
助産師 700時間 95%前後
歯科衛生士 900時間 90〜95% 普通
言語聴覚士 1,000時間 65〜70% やや難
理学療法士 1,000時間 85〜90% やや難
作業療法士 1,000時間 80〜88% やや難
看護師 1,200時間 87〜92% やや難
准看護師 1,500時間 95%前後
救急救命士 1,500時間 85〜90%
視能訓練士 1,800時間 90%前後
義肢装具士 1,800時間 85〜90%
はり師 1,800時間 70〜75%
きゅう師 1,800時間 70〜75%
あん摩マッサージ指圧師 1,800時間 80〜85%
歯科技工士 1,800時間 90%前後
診療放射線技師 2,000時間 75〜85%
臨床検査技師 2,000時間 70〜80%
臨床工学技士 2,000時間 80〜85%
柔道整復師 2,000時間 65〜75%
薬剤師 3,000時間 68〜72%

薬剤師はこのなかで37番目です。学習時間と合格率は必ずしも一致しません。時間が短くても合格率が低い試験は、範囲は狭いが問われ方が厳しいということです。

薬剤師は何ヶ月くらいで取れますか?

標準的な学習期間は6年(大学)、必要な学習時間は約3,000時間です。

1日あたりの学習時間 かかる日数 おおよその期間
1時間 3,000日 約100ヶ月
2時間 1,500日 約50ヶ月
3時間 1,000日 約33ヶ月

試験は年1回のため、日程から逆算して開始時期を決めてください。受験機会が年に一度なので、間に合わないと次は1年後になります。余裕をもった計画が要ります。

働きながら薬剤師を目指せますか?

約3,000時間を平日1時間+土日3時間ずつで積むと、週11時間で約273週間(63ヶ月)です。標準期間の6年(大学)とおおむね一致します。

学習量が大きいため、繁忙期をまたぐ前提で計画を立ててください。週あたりの時間を確保できない月が続くと、直前期の負荷が跳ね上がります。試験は年1回です。

標準学習時間で見た薬剤師の位置

標準学習時間が分かっている295資格を小さい順に並べると、薬剤師(約3,000時間)は下から289番目、全体の98%の位置にあります。中央値は約200時間、いちばん小さいものが約6時間、いちばん大きいものが約3,500時間です。

水準 標準学習時間 該当
もっとも小さい 約6時間 食品衛生責任者
下から4分の1 約80時間
中央値 約200時間
上から4分の1 約500時間
薬剤師 約3,000時間 全体の98%の位置
もっとも大きい 約3,500時間 公認会計士

上位4分の1に入ります。この帯は1年以上を見込む帯です。受験そのものより、学習を継続する仕組みづくりのほうが難所になります。

標準学習時間がすぐ隣にあるのは弁理士(約3,000時間)と司法試験予備試験(約3,000時間)です。迷ったときはこの2つと並べると差が見えます。

薬剤師を決める前に確認すること

あとから「聞いていない」となりやすい点を5つ並べました。上から順に確認してください。

確認すること 見るポイント
受験資格 薬剤師は国家資格です。学歴・実務経験の要件がないかを、実施団体の受験案内で必ず確認してください。要件を満たすまでに年単位でかかることがあります。
独学か講座か 薬剤師は独学だけでは対策しにくい部分があります。講座が限られるため、教材の入手経路を先に確認してください。
受験地 試験地が限られる資格では、移動と宿泊の費用が上乗せになります。会場は実施団体の公表内容で確認してください。
試験日程と申込期限 試験は年1回です。申込はおおむね試験の2〜3ヶ月前に締め切られます。逃すと次は1年後です。
学習時間を確保できるか 約3,000時間が必要です。1日2時間なら1500日。週あたり何時間出せるかを先に決めてください。

つまずきやすいところと、その避け方

テキストを一周してから過去問に入る

範囲を全部覚えてから問題に移ろうとすると、最初のほうを忘れた状態で終盤に着きます。約3,000時間の学習では、後半ほど前半の記憶が薄れます。

避け方:1章ごとにその章の過去問を解いてください。問われ方を早く知るほど、覚える範囲を絞れます。

受験資格を確認しないまま学習を始める

学歴や実務経験の要件があると、学習が仕上がっても受験できません。要件を満たすまでに年単位でかかる資格もあります。

避け方:学習を始める前に実施団体の受験案内を読み、要件を満たしているかを確認してください。

教材を増やしすぎる

不安から複数の教材に手を出すと、どれも中途半端になります。範囲は同じでも構成が違うため、切り替えのたびに時間を失います。

避け方:メイン教材を1冊に決め、足りない部分だけ別で補ってください。過去問だけは複数年分そろえます。

このページに出てくる用語

用語 意味
合格率 受験者のうち合格した人の割合。年度ごとに上下するため、複数年の平均で見るのが確実。
通信講座 教材と添削・質問対応がセットになった学習サービス。学習順序が決まっている点が独学との違い。
登録 試験合格後に名簿へ登録して初めて資格者として活動できる仕組み。登録料が別途かかる。
受験資格 受験するために必要な学歴・実務経験・年齢などの条件。ないものは誰でも受験できる。

医療・福祉の37資格を1枚の表で見る

薬剤師を含む医療・福祉の全37資格を、難易度・合格率・学習時間・種別・独学で並べました。標準学習時間の小さい順です。横並びにすると、薬剤師がどのあたりに位置するのかが一目で分かります。

難易度 合格率 学習時間 種別 独学
同行援護従業者養成研修 ほぼ全員 20時間 公的 不可
福祉用具専門相談員 ほぼ全員 50時間 公的 不可
喀痰吸引等研修 ほぼ全員 50時間 公的 不可
調剤薬局事務 80〜90% 60時間 民間
歯科助手 80〜90% 60時間 民間
医療秘書技能検定 やや易 2級50〜60% 100時間 民間
介護職員初任者研修 ほぼ全員 130時間 公的 不可
医療事務 やや易 50〜60% 200時間 民間(複数団体)
医療情報技師 30〜40% 200時間 民間
介護福祉士 普通 70〜80% 250時間 国家
ケアマネジャー やや難 10〜20% 300時間 公的
愛玩動物看護師 普通 80〜90% 300時間 国家 不可
登録販売者 普通 40〜50% 400時間 公的
精神保健福祉士 やや難 60〜70% 400時間 国家
介護福祉士実務者研修 ほぼ全員 450時間 公的 不可
社会福祉士 やや難 30〜45% 500時間 国家
保健師 95%前後 600時間 国家 不可
診療情報管理士 50〜60% 600時間 民間 不可
助産師 95%前後 700時間 国家 不可
歯科衛生士 普通 90〜95% 900時間 国家 不可
言語聴覚士 やや難 65〜70% 1,000時間 国家 不可
理学療法士 やや難 85〜90% 1,000時間 国家 不可
作業療法士 やや難 80〜88% 1,000時間 国家 不可
看護師 やや難 87〜92% 1,200時間 国家 不可
准看護師 95%前後 1,500時間 公的 不可
救急救命士 85〜90% 1,500時間 国家 不可
視能訓練士 90%前後 1,800時間 国家 不可
義肢装具士 85〜90% 1,800時間 国家 不可
はり師 70〜75% 1,800時間 国家 不可
きゅう師 70〜75% 1,800時間 国家 不可
あん摩マッサージ指圧師 80〜85% 1,800時間 国家 不可
歯科技工士 90%前後 1,800時間 国家 不可
診療放射線技師 75〜85% 2,000時間 国家 不可
臨床検査技師 70〜80% 2,000時間 国家 不可
臨床工学技士 80〜85% 2,000時間 国家 不可
柔道整復師 65〜75% 2,000時間 国家 不可
薬剤師 68〜72% 3,000時間 国家 不可

この表の読み方は2つあります。ひとつは縦に見ること。同じ列で上下を比べると、その項目がどれだけ振れるのかが分かります。もうひとつは横に見ること。薬剤師の行だけを追うと、ある項目では上位でも別の項目では下位、という組み合わせが見えます。ひとつの数字だけで決めると、この組み合わせを見落とします。

数字で見た薬剤師の位置

標準学習時間が分かっている295資格を並べて、薬剤師がどこにあるのかを細かく出しました。順位だけでは「どれくらい離れているのか」が分かりません。散らばりまで見ると、その差が大きいのか小さいのかが判断できます。

見るもの 意味
薬剤師の標準学習時間 約3,000時間 比べる基準になる数字
全体の平均 約435時間 極端な値に引っ張られる
全体の中央値 約200時間 実感に近いのはこちら
下から4分の1 約80時間 これ以下なら軽い部類
上から4分の1 約500時間 これ以上なら重い部類
上位1割の入口 約1,000時間 ここから先は例外的
散らばり(標準偏差) 約627時間 平均からどれだけ離れるのが普通か

薬剤師は下から292番目(全体の98%)です。平均との差は約2,565時間で、散らばり1つ分を超えています(+4.09)。この水準は全体から見て極端です。同じ感覚で他と比べると判断を誤ります。

平均と中央値の差にも意味があります。ここでは平均約435時間に対して中央値約200時間で、平均のほうが高く出ています。一部の大きな値に引っ張られているので、平均を目安にすると実際より高く見積もることになります。

薬剤師と水準が近い資格

分類をまたいで、標準学習時間が薬剤師(約3,000時間)に近い資格を集めました。同じ分類のなかで比べるだけでは、その水準が全体のどのあたりなのかが見えません。違う分類の同じ水準を並べると、感覚がつかめます。

資格 分類 標準学習時間 特徴
税理士 会計 約3,000時間 5科目合格制で科目合格が一生有効。働きながら複数年かけて狙う設計が一般的。
司法書士 法律・労務 約3,000時間 合格率4%台。科目ごとに基準点があり、総合力と取りこぼしのなさが要求される。
弁理士 法律・労務 約3,000時間 理工系のバックグラウンドを持つ受験者が多い。短答・論文・口述の3段階。
司法試験予備試験 法律・労務 約3,000時間 法科大学院を経ずに司法試験を受けるための試験。
司法試験 法律・労務 約3,000時間 受験資格を得るまでが長い。
公認会計士 会計 約3,500時間 短答式と論文式の2段階。受験資格がない反面、専念受験と予備校利用がほぼ前提になる。

同じ水準でも、分類が違えば中身は別物です。税理士と薬剤師は数字の上では近くても、会計と医療・福祉では前提が違います。数字が近いことは「置き換えられる」という意味ではありません。何を得るためにその数字を払うのかで判断してください。

薬剤師より軽いもの・重いもの

薬剤師を真ん中に置いて、標準学習時間が前後にある資格を並べました。いまの候補が重すぎると感じたら左の表へ、物足りなければ右の表へ移る、という探し方ができます。

薬剤師より軽い5資格

資格 分類 標準学習時間 薬剤師との差
弁理士 法律・労務 約3,000時間 同じ
司法書士 法律・労務 約3,000時間 同じ
税理士 会計 約3,000時間 同じ
小学校教諭一種免許 教育・保育 約2,500時間 −500時間
電験一種 技術・設備 約2,500時間 −500時間

薬剤師より重い3資格

資格 分類 標準学習時間 薬剤師との差
司法試験予備試験 法律・労務 約3,000時間 同じ
司法試験 法律・労務 約3,000時間 同じ
公認会計士 会計 約3,500時間 +500時間

ひとつ隣に動かすと、標準学習時間は下側で同じ、上側で同じ動きます。段階的に見ると、いまの選択がどれだけ思い切ったものなのかが分かります。

分類ごとの水準と、医療・福祉の位置

このサイトで扱っている19分類を、標準学習時間の中央値で並べました。薬剤師が属する医療・福祉は2番目です。まずどの分類を見るべきかを決めると、そのあとの比較が短くて済みます。

分類 資格数 いちばん低い 中央 いちばん高い
法律・労務 8 約100時間 約3,000時間 約3,000時間
医療・福祉 37 約20時間 約700時間 約3,000時間
心理 9 約60時間 約600時間 約1,000時間
教育・保育 9 約24時間 約500時間 約2,500時間
住宅・建築 19 約100時間 約400時間 約1,200時間
不動産 10 約40時間 約300時間 約2,500時間
人材 4 約100時間 約300時間 約500時間
美容 11 約40時間 約200時間 約900時間
語学 20 約80時間 約200時間 約1,000時間
金融 16 約20時間 約150時間 約1,000時間
経営 8 約60時間 約150時間 約1,000時間
食・栄養 14 約6時間 約150時間 約2,000時間
IT・Web 33 約40時間 約150時間 約800時間
ビジネス 16 約40時間 約150時間 約500時間
会計 19 約30時間 約120時間 約3,500時間
ペット 7 約60時間 約100時間 約200時間
労務・安全 8 約60時間 約100時間 約500時間
技術・設備 35 約14時間 約100時間 約2,500時間
運輸 14 約16時間 約60時間 約400時間

分類ごとに水準が違うのは、分野ごとに、覚える範囲の広さと、資格がないとできない業務があるかどうかが違うためです。分類をまたいで数字だけを比べても意味がありません。同じ分類のなかで比べたうえで、分類そのものを選び直せるかどうかを考えてください。

薬剤師のデータを一項目ずつ読む

ページの先頭に出している基本情報を、一項目ずつ何を意味するのかまで書き下しました。表だけを見て分かった気になると、判断の材料を取り違えます。

難易度:鬼

このサイトでは標準学習時間と合格率をもとに6段階で分けています。「鬼」は、同じ分野のなかでどのあたりかを示す目安です。絶対的な難しさではありません。

合格率:68〜72%

合格率は受験者層で動きます。受験資格が厳しい試験は準備した人だけが受けるため高く出て、誰でも受けられる試験は低く出ます。年度ごとの上下も大きいので、1年分の数字で判断しないでください。

標準学習時間:約3,000時間

1日2時間なら1500日、1日1時間なら3000日です。この数字は「ゼロから始めて合格水準に届くまで」の目安で、関連する知識があれば短くなります。

学習期間:6年(大学)

標準学習時間を無理のないペースで割ったときの期間です。6年(大学)という数字は、週にどれだけ時間を出せるかで前後します。試験日から逆算して開始時期を決めてください。

試験:年1回

年に一度しかありません。申込期限を逃すと次は1年後です。願書の受付はおおむね試験の2〜3ヶ月前に締め切られます。

種別:国家

法令にもとづく資格です。合格後に名簿への登録を求められるものがあり、登録料や年会費が別にかかることがあります。

独学の可否:不可

実技や実習、指定の講習が要件に含まれるため、独学だけでは完結しません。対応する講座や養成課程を先に調べてください。

講座の有無:限られる

講座が限られます。教材の入手経路を先に確認してください。

医療・福祉のほかの資格を短く見る

薬剤師と同じ医療・福祉にある資格を、標準学習時間の順にひとつずつ。薬剤師が合わないと感じたときに、次にどれを見ればよいかの当たりがつきます。

同行援護従業者養成研修(約20時間)

同行援護のサービス提供に必要。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,980時間。

福祉用具専門相談員(約50時間)

福祉用具貸与事業所に2名以上の配置義務がある。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,950時間。

喀痰吸引等研修(約50時間)

介護施設で医療的ケアを行うために必要。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,950時間。

調剤薬局事務(約60時間)

通信講座と認定がセットのものが主流。医療事務との併願が一般的。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,940時間。

歯科助手(約60時間)

無資格でも就業できるが、認定があると未経験からの採用で優遇されやすい。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,940時間。

医療秘書技能検定(約100時間)

医療知識と秘書技能を横断して問う。医療事務より事務スキル寄り。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,900時間。

介護職員初任者研修(約130時間)

旧ホームヘルパー2級。介護の入口。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,870時間。

医療事務(約200時間)

資格の種類が複数あり、目的で選び分ける必要がある。就職市場が広く、ブランクからの復職にも使われる。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,800時間。

医療情報技師(約200時間)

医療とITの両方を扱う。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,800時間。

介護福祉士(約250時間)

介護職の現場からのキャリアアップ資格として定番。資格手当がつく事業所が多い。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,750時間。

ケアマネジャー(約300時間)

合格率が年によって大きく振れる。受験要件が厳しいぶん有資格者の価値が高い。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,700時間。

愛玩動物看護師(約300時間)

2023年に始まった国家資格。養成所または大学での指定科目の履修が受験の前提。

薬剤師との差:標準学習時間で−2,700時間。

このページの数字の出どころと、確かめ方

このページに出している数字は、297資格を19分類に整理したデータベースから引いています。薬剤師だけを個別に調べて書いたものではなく、全297資格を同じ項目立てで揃えたうえで、そのなかの1件として出しています。だから順位も平均も、その場で計算した値になります。

この記事の数字 性質 確かめ方
薬剤師の標準学習時間 公表値や一般に知られている水準の目安 実施団体が公表している受験案内と試験結果で確認できます
順位・中央値・四分位 このサイトのデータベース内での計算値 同じ分類のページを開くと、同じ母集団で計算した数字が出ます
比較表の他の資格 同じ形式で揃えた同一データベースの値 各資格の個別ページで、より詳しい内訳を確認できます
制度・要件の説明 公表されている制度の内容を整理したもの 受験資格・免除・登録の要件は、実施団体の公式発表が一次情報です

数字を扱うときに気をつけているのは3点です。①幅で示すこと。ひとつの値に丸めると、条件によって動く部分が見えなくなります。②平均と中央値を分けて出すこと。極端な値があるときは、平均だけを見ると実態からずれます。③単位と母集団をそろえること。単位の違うものを混ぜて順位をつけても意味がありません。

それでも、ここに書いてあるのは判断の材料であって、結論ではありません。実際の条件は時期と相手によって変わります。決める前に、必ず一次情報にあたってください。

薬剤師にするかどうかの分かれ目

ここまでの数字を踏まえて、判断が分かれる点を3つに絞りました。どれかひとつでも「いいえ」なら、いったん止まって別の選択肢を見たほうが早いところです。

約3,000時間を出せるか

1日2時間なら1500日、1日1時間なら3000日です。平日1時間+土日3時間ずつなら週11時間で、約273週間かかります。まず週に何時間出せるかを決めてください。

「いいえ」なら:同じ医療・福祉のなかでより軽い資格から入るか、受験回を1つ後ろにずらして学習期間を延ばしてください。時間が足りないまま突っ込むと、直前期の負荷だけが跳ね上がります。

受験資格を満たしているか

薬剤師は国家資格です。学歴・実務経験の要件があると、学習が仕上がっても受験できません。要件を満たすまでに年単位かかる資格もあります。

「いいえ」なら:実施団体の受験案内を先に読み、要件を満たすまでに何年かかるかを計算してください。その年数を織り込めないなら、要件のない資格に切り替える判断になります。

試験日から逆算できているか

試験は年1回です。年に一度しかないため、申込期限を逃すと次は1年後です。

「いいえ」なら:先に受験日を決めて、そこから約3,000時間を割り付け直してください。開始時期が決まれば、いま始めるべきかどうかも決まります。

薬剤師について、さらに調べられていること

上で取り上げなかった質問のうち、検索されている数が多いものを5件足しました。

40代・50代から薬剤師を目指すのは遅いですか?

薬剤師に年齢の制限はありません。判断材料になるのは、学習に必要な約3,000時間を確保できるかどうかです。1日1.5時間なら2000日、およそ67ヶ月かかります。

薬剤師は学習時間が上位2%に入る重い部類です。時間を確保しにくい状況なら、同じ医療・福祉分野でより軽い資格から入る進め方もあります。

薬剤師は国家資格ですか?

薬剤師は国家です。国家資格は法令にもとづいて実施され、合格後に登録を求められるものもあります。

区分は評価のされ方に影響します。求人票で名称が指定されることがあります。大学6年が前提。業務独占で求人が安定している。

薬剤師の試験は年に何回ありますか?

薬剤師の試験は年1回です。年に一度しかないため、申込期限を逃すと次は翌年になります。願書の受付期間はおおむね試験の2〜3ヶ月前です。

学習に必要なのは約3,000時間です。試験日から逆算し、1日20時間のペースなら5ヶ月前には始めておくと余裕があります。

薬剤師を取れば仕事に困らなくなりますか?

資格そのものが仕事を保証するわけではありません。薬剤師について言えるのは、大学6年が前提。業務独占で求人が安定している。という点です。

判断材料として見るべきは、①その資格がないとできない業務があるか(業務独占)、②求人票で名称が指定されているか、③実務経験と組み合わせて評価されるか、の3点です。薬剤師は国家のため、①②に当てはまる場面があります。

薬剤師の前に取っておくとよい資格はありますか?

同じ物差しで見て、薬剤師(約3,000時間)よりひとつ手前にあるのが弁理士(約3,000時間・法律・労務)です。

分野は違いますが、学習の進め方そのものに慣れる目的では使えます。まず3,000時間規模で一度合格を経験しておくと、3,000時間の計画が立てやすくなります。

このページの用語を、もう一歩詳しく

本文に出てくる言葉のうち、意味を取り違えると判断そのものが変わるものを選んで、定義だけでなく「なぜそれが問題になるのか」まで書きました。

受験資格

受験するために必要な学歴・実務経験・年齢などの条件。ないものは誰でも受験できる。

ここを確認せずに学習を始めると、仕上がっても受験できません。要件を満たすまでに年単位かかるものがあります。

実務経験

定められた業務に一定期間従事した経歴。受験資格や登録要件として求められることがある。

薬剤師の記事では、この言葉の意味によって「何を確認すべきか」が変わります。定義だけでなく、自分の場合に当てはまるかどうかまで確認してください。

通信講座

教材と添削・質問対応がセットになった学習サービス。学習順序が決まっている点が独学との違い。

薬剤師の記事では、この言葉の意味によって「何を確認すべきか」が変わります。定義だけでなく、自分の場合に当てはまるかどうかまで確認してください。

業務独占

資格を持つ人だけがその業務を行える仕組み。無資格で行うと法令違反になる。

薬剤師の記事では、この言葉の意味によって「何を確認すべきか」が変わります。定義だけでなく、自分の場合に当てはまるかどうかまで確認してください。

※ 合格率・試験日程・受験資格は変更されることがあります。受験の際は必ず試験実施団体の公式情報をご確認ください。

薬剤師は、どうやって取るのがいいか

同じ資格でも、独学・通信講座・通学のどれを選ぶかで、かかる期間も費用も変わります。薬剤師は実務・学校が要るに分類しています。判断の材料は、標準の勉強時間が約3000時間であること、合格率が68〜72%であること、受験資格に条件があります(薬学部6年の卒業)、の3つです。

取り方 向いている人 つまずきやすいところ
独学 自分で計画を立てて続けられる人。費用を最小限にしたい人 分からないところで止まったとき、聞ける相手がいない
通信講座 働きながら、決まった順序で進めたい人 教材が届いても手を付けないまま終わることがある
通学 強制力がほしい人。実技や実習の練習が要る資格 通う時間が固定される。費用はいちばん高い

薬剤師の場合は、学校での履修か実務経験が受験の条件です。まず要件を満たすところから逆算してください。

費用はここには書いていません。講座ごとに幅があり、割引の有無や教材の範囲で総額が変わるためです。実際の金額は、各社の資料請求か公式ページでご確認ください。

薬剤師の講座を比べる

通信講座は、教材の範囲・添削の回数・質問できる期間が会社によって違います。同じ資格でも総額が変わるので、2〜3社の資料を並べてから決めてください。

まず薬剤師のデータを確認する

薬剤師を取ったあと、どう使うか

資格は取ることが目的ではないので、取ったあとに何につながるかを先に見ておいてください。薬剤師は、掲載データのうえでは次の使い方に向いています。

  • 転職に使う:求人の応募条件に書かれていることがあります。実務未経験でも、応募できる求人の幅が変わります。
  • 資格手当を狙う:法令上の位置づけがあるので、資格手当や報奨金の対象になっている職場があります。就業規則を確認してください。
  • いまの職場で使う:国家・公的の資格なので、社内の評価や担当替えの根拠として通りやすい種類です。

法令上の位置づけは業務独占です。この資格がないとできない業務があります。求人の要件になりやすい種類です。

薬剤師を取ったあと、その仕事に就きたい場合

薬剤師は業務独占なので、求人の応募条件に書かれていることがあります。取ってから探すより、どんな求人があるかを先に見ておくほうが、勉強の途中で目的を見失いにくくなります。医療・福祉の分野で、どの職種がこの資格を求めているかを確認してください。

医療・福祉の資格を一覧で見る

薬剤師について、ほかに読めること

同じ分野の資格は医療・福祉の一覧で横並びに見られます。目的や勉強時間から絞りたい場合はトップの診断へ。